大泉洋さんって俳優でしたっけ?
思わずそんな投げかけをしたくなるほど、大泉さんは持ち前のお笑いセンスや巧みな話術で、紅白歌合戦の司会やバラエティ番組などで、マルチな活躍を見せています。
しかし、本業は俳優であり、原点でもある演劇やテレビドラマ、そして、映画にも多数出演しており、映画俳優としては近年の作品がほぼ主演という位置にまで上り詰めています。
ただ、特異性のあるキャラから実直な男に正義の味方まで、変幻自在に役をこなすだけに、主演作品のファンの評価は分かれ気味ですね。
そこで今回は「【見てなきゃファン失格?】大泉洋主演の好評の映画ベスト10」と題し、ファンに最も好評な映画をランキングで紹介します。
大泉洋主演映画ファンに好評ランキング10位~4位
2021年現在で、大泉洋さんの主演作品は18作品あります。
これだけの数があると評価が分かれるのも当然で、正直目を覆いたくなるような低評価が並ぶ作品もあるのですが、今回は中でもレビューサイトなどでファンからの評価が高い作品を紹介します。
まずはランキング10位から4位までをご覧ください。
第10位 しあわせのパン
(C)2011「しあわせのパン」製作委員会
引用元:映画.com
大泉洋さんと原田知世さん演じる夫婦が営む、宿泊施設が付いたパンカフェに訪れる人々と夫婦の交流を描いたハートウォーミングなヒューマンドラマです。
特異なキャラクターを演じることが多い大泉さんですが、本作では優しい旦那さんの役を抑えめの演技で表現しており、新境地が開かれたという評価もあります。
ストーリーとしては、派手な展開のない平坦で穏やかな話ですので、ハッキリと好き嫌いが分かれにくく、平均点よりやや上という評価になっています。
何気ない日常の中でお互いを尊敬していたわる夫婦愛と、夫が焼いたパンと奥さんの煎れたコーヒーと料理に癒されていくお客さんの姿にほっこりしたい方におすすめです。
第9位 トワイライト ささらさや(2014年)
(C)2014 映画「トワイライト ささらさや」製作委員
引用元:映画.com
妻と生まれたばかりの息子を残し突然の交通事故で亡くなってしまった、大泉洋さん演じる売れない落語家が、様々な人の身体を借りて妻と息子を助けていくというファンタジー映画です。
亡くなっている役なので大泉さんの出番はそう多くないのですが、残された妻役の新垣結衣さんとW主演の扱いになっています。
レビューサイトでは☆3つくらいの中間的な評価が多く、良くも悪くも普通というレビューが多く見られます。
非現実的なストーリーながら、本作は人間関係を深めに描きファンタージ―色がやや薄めのため、賛否両論分かれているようです。
個人的には大泉洋さんのキャラを活かし、もう少しコミカルに非現実さを突き抜けさせるのもアリかなと思いました。
しかし、登場人物が基本的に優しく、助け合って生きていく姿がとても微笑ましいので、心温まるストーリーで涙したい方におすすめです。
第8位 アイアムアヒーロー(2016年)
(C)映画「アイアムアヒーロー」製作委員会 (C)花沢健吾/小学館
引用元:映画.com
花沢健吾さんの同名コミックを実写化した作品で、大泉洋さんは主人公の冴えない漫画アシスタントを演じています。
謎のウィルスによって多くの人間がゾンビ化してしまう日本を舞台に、主人公と有村架純さん演じる人間に危害を加えない半ゾンビ化した女子校生が、ゾンビを退治していくという、ホラーアクション映画です。
世界三大ファンタスティック映画祭で受賞するなど海外での評価も高く、ファンの方もこれまで観た日本のゾンビ映画で最も面白かったという評価が目立ちました。
ただし、全編に渡ってゾンビを退治する猟奇的なシーンが多く、グロさを苦手にしている方が低評価にしているため、☆3.5前後の中間的評価になっています。
しかし、タイトル通りゾンビをなぎ倒していく正義の味方的要素や、迫力満点のカーチェイスなどもありますので、グロさを受け入れられれば、純粋なアクション映画として楽しめるはずです。
第7位 騙し絵の牙(2021年)
(C)2020「騙し絵の牙」製作委員会
引用元:映画.com
作家・塩田武士さんが大泉洋さんをイメージして主人公にあてがきした小説を、大泉さん主演で実写化したという、原作者の念願がかなった作品です。
大手出版社の後継者争いで次々と売れない雑誌が廃刊に追い込まれる中、大泉さん演じるカルチャー誌の編集長が、様々な陰謀や裏切りがある中で懸命に自分の雑誌を守っていくという、ヒューマンドラマです。
本作は原作のエッセンスを残しつつ、大胆に解体して映画のために再構築しています。
そのため、個人的には原作を読んだファンの方の評価が気になったのですが、原作と映画オリジナル部分のバランスの良さが高評価されています。
ラストに待つあっと驚く展開まで違和感なく見られたという評価もありましたので、原作を読んでいない方はもちろん、読んだ方も十分に楽しめそうです。
第6位 探偵はBARにいる3(2017年)
(C)2017「探偵はBARにいる3」製作委員会
引用元:映画.com
北海道在住の作家・東直己さんの「ススキノ探偵シリーズ」を、北海道出身の大泉洋さん主演で実写化した、北海道色満点の人気シリーズ第3弾です。
本作は大泉洋さん演じる探偵と松田龍平さん演じる相棒が、失踪した女子大生(前田敦子さん)を探すうちにいつしか大事件に巻き込まれていくという、シリーズの定番ストーリーです。
ネタばらしをしてしまうと、このシリーズで今回ランキング入りしたのは本作だけです。
ファンの方が3にしてシリーズ最高傑作と評価しているのは、2人のコンビとしての成熟度合いと、作品を重ねるごとに豪華になっていく共演者の存在が大きいようです。
特に本作は2人を翻弄するモデル事務所の美人オーナー役、北川景子さんの評価が非常に高く、平均点を押し上げていますね。
第5位 青天の霹靂(2014年)
(C)2014「青天の霹靂」製作委員会
引用元:映画.com
劇団ひとりさんが自身の書下ろし小説を初監督として映画化、大泉洋さん演じる主人公の父親役で出演もしているというマルチぶりが話題になりました。
大泉さん演じる売れないマジシャンが、絶縁中の父親の訃報に絶望している矢先、自分が生まれる前である今から40年前の浅草にタイムスリップしてしまいます。
そこでスプーン曲げで人気マジシャンとなった主人公は、自分の父親とコンビを組んで活動していきます。
その中で、子供の頃に捨てられた母親の真相や、自身の出生の秘密と向き合っていくという、ファンタジーヒューマン映画です。
やや上映時間が短いこともあって、ヒューマンドラマにしては人物の背景や物語の伏線を描き切れず、展開を急ぎ過ぎているという評価が平均点を下げてしまっています。
しかし、大泉さんと劇団ひとりさんの迫真の演技や、激動の日々を懸命に生きている母親役の柴咲コウさんなど、出演者の演技力が評価を高めているというイメージです。
第4位 アフタースクール(2008年)
(C)2008「アフタースクール」製作委員会
引用元:映画.com
大泉洋さんが演じるのは、母校の中学校で教師をしているお人よしな主人公です。
かつての同級生を名乗る怪しい探偵が、失踪した主人公の幼なじみを探しており、主人公はその捜索に徐々に巻き込まれていきます。
その過程で幼なじみの知らなかった面が明らかになっていき、真相に迫る中で誰もが予想していなかった結末に向かうという、サスペンス映画です。
大泉さんを始め堺雅人さんや佐々木蔵之介さんなど、今をときめく俳優陣の黎明期と言ってもいい時代の演技は必見です。
そして、ランキングを4位まで引き上げたのはそのストーリーによるところが大きく、前半に何重にもめぐらされた伏線が後半一気に回収されていく巧妙さに、心を揺さぶられますね。
大泉洋主演映画ファンに好評ランキング3位~1位
ここまでは、改めて知名度と実際に鑑賞した方の評価は比例しないと思わされる、ランキングでした。
果たしてベスト3もそうなんでしょうか?
第3位 駆け込み女と駆け出し男(2015年)
(C)2015「駆込み女と駆出し男」製作委員会
引用元:映画.com
井上ひさしさんの時代小説「東慶寺花だより」を原案にした、人情時代劇です。
本作は江戸幕府公認の縁切り寺「東慶寺(鎌倉)」が舞台、大泉洋さんは劇作家にあこがれる医者で、東慶寺に入山する前の離婚調停の場である御用宿の居候(いそうろう)役です。
主人公が何かと離婚調停に関わっていくことになり、お寺の御用医者的な存在にまでなって、挙句の果ては離縁を目指している女性と恋に落ちていくというドタバタな人情劇です。
しかし、東慶寺に入山する1人1人の女性のバックボーンや元の生活が深く描かれているため、ドタバタのストーリーに重厚さが加わっており、しっかり人情劇として感動できます。
時代背景を知らなくてもサラサラと見ていけるテンポのよさを評価する声が多い一方で、反対に理解を深めながらもう一度見たくなるという評価もあり、作品の懐の広さを感じさせますね。
そして、準主役の満島ひかりさん、戸田恵梨香さん、脇を固める樹木希林さん、堤真一さん、キムラ緑子さんなど、豪華俳優陣の競演も評価を上げているポイントです。
第2位 こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話(2018年)
(C)2018「こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話」製作委員会
引用元:映画.com
筋ジストロフィーにかかり、身体が不自由で車いす生活を送る、実在した「鹿野靖明」さんという方を題材にした書籍を原作に、大泉洋さんが鹿野さんを演じた作品です。
主人公は、何も悪びれることなくボランティアに「夜更けにバナナを買ってこい」と言ってしまう、わがままで周りを振り回してばかりの人物です。
しかし、どこかにくめず周りの人々に愛されており、その人物像を大泉洋さんが見事に演じ切っている、ヒューマンドラマです。
実話でありテーマが介護のため、観る前は重い展開も予想されます。
しかし、恋愛要素やちょっとエッチな描写なども交えながら、介護生活をおもしろおかしく描き、ド直球な感動モノにしていないところが、ファンの方に高評価されています。
また、主人公が恋をする新人ボランティア役、高畑充希さんの飾らない素直な女子大生を演じる姿も、多くのファンに好感を与えています。
第1位 恋は雨上がりのように(2018年)
(C)2018映画「恋は雨上がりのように」製作委員会 (C)2014 眉月じゅん/小学館
引用元:映画.com
ランキング第1位は、大泉洋さん演じる45歳のファミレス店長と、小松菜奈さん演じる17歳の女子高生の恋を描いた、眉月じゅんさんの同名コミックの実写版「恋は雨上がりのように」です。
女子校生が偶然入ったファミレスの店長のやさしさに触れたことをきっかけに、アルバイトを始めるところからストーリーが展開していきます。
ひそかに店長に恋心を募らせていく女子高生がついに告白するも、店長はその想いを受け止め切れず葛藤していくというストーリーですが、実は単純なラブストリーではありません。
女子校生が店長に恋心を抱くのはあくまでも伏線で、青春時代の挫折や悩みを中年男性との恋愛というレアな体験の中で克服していくという、人間の成長を描いたヒューマンドラマなんですね。
小松菜奈さん演じる女子校生の真っすぐな想いをぶつけてくる強さと、その想いに困惑しながら、大人としの分別を持って接していく大泉さんの心を動かされる演技が、高く評価されています。
また、個人的にもそうですが、中年が女子高生に告白される非現実的な「あったらいいな」を、疑似体験できたというおじさんファンのレビューも多く見られました(笑)
まとめ
今回は「【見てなきゃファン失格?】大泉洋主演の好評の映画ベスト10」題して、お伝えしました。
話をまとめます。
- ランキング第3位は大泉洋さん主演映画としてはレアな時代劇!「駆込み女と駆出し男」
- ランキング第2位は重いテーマをエンターテイメントとして魅せる演技力が凄い「こんな夜更けにバナナかよ」
- ランキング第1位は中年男性の悲哀と実直さを渋く演じている「恋は雨上がりのように」
個人的には、伏線回収のストーリーと、気乗りしないながらもズバリと問題を解決していく主人公のキャラが抜群にマッチしている、「アフタースクール」をイチオシさせていただきます。
スクリーンでの大泉洋さんは、テレビで見せるおちゃらけキャラとはひと味もふた味も違う深さがありますので、ぜひ今回紹介した作品を観て楽しんでください。