【Arc】キャストまとめ!石川慶監督の経歴や過去作が圧倒的!

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映画「Arc」が公開され、豪華俳優陣の熱演と作品が持つ独特の世界観が話題になっています。

「芳根京子さんの多彩な演技力に感動!」「芳根さんのための映画だった」など、主演の芳根京子さんを絶賛する声が多い一方で、脇を固める俳優陣の評価も非常に高い映画になっています。

また、不老不死というSFではありふれたテーマを、独自の世界観で一切ありきたりに見せない石川慶監督にも称賛の声が集まっています。

そこで今回は「【Arc】キャストまとめ!石川慶監督の経歴や過去作が圧倒的!」と題して、キャスト陣の役どころと経歴を紹介し、石川慶監督にも迫ります。

【Arc】キャストまとめ

それでは早速、映画Arcのキャストについて、役どころ、経歴をまとめていきます。

次々と役を勝ち取る実力派女優【芳根京子】”永遠の命を得た女性”リナ役

Arcキャスト1人目は、30歳の身体のまま永遠の命を得た主人公・リナを演じる芳根京子さんです。

不老不死をありきたりではなく、全くの新しい解釈で見せるという大きなテーマを背負い、17歳から100歳以上までを1人で演じる難役に挑んだのが、映画Arcにおける芳根京子さんです。

芳根さんはあまりの難役に、今回すぐにオファーを引き受けられなかったそうです。

石川監督と話し合ってからようやくこの役を承諾したというほど、強い覚悟と決意が必要な役と言うことなんですね。

予告映像や画像で見る姿はどれも凛としており、この映画の持つ重厚な空気感がひしひしと伝わってきます。

芳根さんは高校1年生の時に、のちに事務所の先輩となる遊助(上地雄輔)さんのライブでスカウトされ芸能界入りを果たします。

2013年にフジテレビの「ラスト♡シンデレラ」で女優デビュー、翌年にはNHK朝ドラ「花子とアン」に出演します。

2015年のドラマ「表参道高校合唱部」で1000人以上のオーデションから主役の座を勝ち取り、翌年には、NHK朝ドラ「べっぴんさん」でもオーディションで主役の座を射止めています。

映画では2014年に「物置のピアノ」で初出演にして初主演、2018年に「累(かさね)」と「散り椿」で日本アカデミー賞の新人俳優賞を獲得しています。

そんな芳根さん、オーデションで次々と主役の座を勝ち取ってきている実力者で、自身は謙遜していますが、「オーディション荒らし」という異名まで付けられていた時期もありました。

今回のArcでも寺島しのぶさん、小林薫さんなどのベテラン俳優を相手に一歩も引かない熱演が高評価されており、芳根さんの実力が改めて世に知らしめられることになるでしょう。

クセの強い役はお手の物【岡田将生】不老不死を実現した天才科学者・天音役

Arcキャスト2人目は、自分が開発した「ストップエイジング」という不老不死の施術をリナと共に受ける科学者・天音役の岡田将生さんです。

岡田さんもこの映画の撮影後に「脚本を理解するのにとても苦労し、映画の本質を今でも100%理解できていない」と話されており、芳根さんと同じく難しい役どころだったことがうかがえます。

岡田さんは現在の所属事務所に中学生の時にスカウトされますがいったん断り、高校進学後に連絡を取りデビューに至っています。

デビュー後ドラマ、映画でメインキャストを務め、2009年に主役級で出演した映画が相次いで公開となり、新人俳優賞を総なめにします。

これも1つのきっかけになったのか、この年に通っていた大学を中退し俳優業に専念することになりました。

岡田さんはそのさわやかなルックスとは裏腹に、クセが強めのキャラに定評があります。

告白」では熱血さが空回りし生徒からバカにされる教師役、「悪人」では性格の悪い下劣な大学生を好演し、日本アカデミー賞で助演男優賞にノミネートされています。

そんな岡田さんですから、全体的にクセが強いArcという映画にベストマッチのキャストではないでしょうか。

芸能一家の大女優【寺島しのぶ】リナをボディワークスに導いた師・エマ役

Arcのキャスト3人目は、遺体を生きていた姿のまま保存できるように施術するボディワークスの道へ主人公を導いた人生の師匠的存在・エマ役の寺島しのぶさんさんです。

リナの師であり天音の姉役でもある寺島さんも「初見では台本の内容はよく分からなかった。不思議な作品」と話されています。

芳根さん、岡田さんも含め、多くのキャストがこの映画を難しく感じていることがうかがえますよね。

寺島さんは父と弟が歌舞伎俳優、母が女優、祖父も父方が歌舞伎俳優、母方が東映のプロデューサーという芸能一家に育ちました。

歌舞伎は男社会のため寺島さんは役者になれませんでしたが、大学在学中に文学座に入団しやはり家族と同じく芸能の道に進まれました。

文学座を退団後は蜷川幸雄さんなど演劇界の大御所に次々と起用され演技の幅を広げ、映像作品でも映画デビューからわずか3年、「赤目四十八瀧心中未遂」と「ヴァイブレータ」で日本アカデミー賞最優秀主演女優賞を受賞されました。

その際の大胆なヌードシーンについては母の富司純子さんに「あなたがヌードになるなら私は自殺する」と言われ大ゲンカになったといいます。

母と娘が共に女優であるという芸能一家ならではのエピソードですが、その後も役に入り込み大胆に熱く演ずる寺島さんですから、ここが1つの転機だったのかもしれません。

また、2010年にはこれまで日本人で3人しかいないベルリン国際映画祭の銀熊賞(最優秀女優賞)を「キャタピラー」で獲得しており、世界にもその実力を知らしめています。

そんな寺島さんが、「監督の頭の中にある作品の世界に身をゆだねた」と語る今回のエマ役をどう熱演しているのか楽しみですね。

いつまでもかわいい名女優【風吹ジュン】リナの人生に大きな影響を与える・芙美役

Arcキャスト4人目は、ガンを患い主人公が運営する施設に夫と共に入所してくる・芙美役の風吹ジュンさんです。

風吹さんは「死生観を問うような面白い脚本」と話されており、30歳の身体のまま歳を重ねる不老不死の主人公に、あらためて死と生を考えさせる重要な役どころです。

風吹さんは小学生の頃に両親が離婚され、母親の育児放棄に伴い非常に貧しい生活をしいられ、中学高時代はアルバイトと内職に明け暮れていたそうです。

18歳で上京し飲食店で働いていたところをスカウトされ芸能界入り、1973年に初代ユニチカマスコットガールに選ばれ注目を浴びます。

1974年には歌手デビュー、翌1975年にドラマ「寺内貫太郎一家2」で女優デビューをされています。

映画では1977年に「白熱(デッドヒート)」で初出演、以降「蘇る金狼」や「五番町夕霧楼」などで妖艶な演技を披露し。

1991年「無能の人」で日本アカデミー賞優秀助演女優賞とブルーリボン賞の助演女優賞を受賞されると、その後は毎年コンスタントに2~3本の映画に出演し続けています。

近年はいつまでもかわいいと言われるその風貌通りの、元気なお母さん、おばあちゃんというイメージの役が多いのですが、今回はガンを患い人生の末期にさしかかった女性をどう演じているのか注目ですね。

唐十郎に才能を見込まれた名優【小林薫】ガンの妻に寄り添う夫・利仁役

Arcキャスト5人目は、ガンを患った妻に寄り添い一緒に施設に入所する夫・利仁役の小林薫さんです。

熟練のベテラン俳優である小林薫さんですら、今回の映画Arcに対して「どんな映画になるのか、どんな仕上がりになるのか、全く見当がつきませんでした」と話されています。

改めてこの映画の異次元さを感じさせますね!

小林さんは1971年から9年間在籍した、唐十郎さん主催の「状況劇場」を退団する際に、唐さんが説得のために包丁まで持ち出すほど、その才能にほれ込んでいたというエピソードがあります。

退団後は映画、ドラマに進出し、1995年には「それから」「恋文」で日本アカデミー賞の最優秀助演男優賞を獲得しています。

また、2007年には「東京タワー オカンとボクと、時々、オトン」で再び最優秀助演男優賞を獲得するなど、数々の映画賞を受賞されている実力派俳優さんです。

近年はドラマから映画化もされた「深夜食堂」の寡黙なマスター役に代表される、円熟味あるの渋い役が多い印象です。

今回のArcでは不老不死が当たり前となった世界で普通に年老いていく役を演じられていますが、小林さんの持つナチュラルなおじさん加減がいい感じにはまっていると感じます。

キャストを困らせ惑わせたArcの石川慶監督とは?

引用元:映画「Arc」オフィシャルサイト

キャストが口を揃えて作品の異次元さを語る映画Arcですが、そんな映画を監督した石川慶さんは一体どんな方なのでしょうか?

ここからは石川慶監督に迫ります。

石川慶監督の圧倒的な経歴

石川慶監督は子どもの頃から映画好きでしたが、大学までは特に映画の仕事に繋がるような経歴ではありません。

興味があった物理を学ぶために東北大学物理学科に進学しており、定かではありませんが在学中は今と違う人生を考えていたのかもしれません。

しかし、大学卒業後に石川監督が選んだ選択肢は、多くの巨匠を生み出したポーランドの国立大学「ウッチ映画大学」への留学でした。

少年時代からの夢とはいえ、物理を専攻していた大学生がいきなり映画監督の本丸に攻め込んでいくようなこの突飛な発想力こそが、異端とも言われる石川監督らしさなのでしょう。

ポーランドでは巨匠と言われる映画監督が企画の相談に乗ってくれような凄すぎる環境の中で、短編映画の制作を中心に演出を学び、母国語で長編映画を作りたいという思いから帰国します。

日本に帰ってからも主に短編映画を手掛け、日本とポーランドの合作企画「BABY」では、プチョン国際ファンタスティック映画祭の企画マーケットでグランプリを受賞しています。

また、石川監督の初長編映画監督作品となった「愚行録」、さらに今回のArcも大学時代の友人であるポーランド人の撮影監督がカメラを回しています。

このような経歴を見る限り、石川監督の独特の世界観のルーツはポーランドにあり、そこに単身飛び込んだ勇気と行動力が今の石川監督を作り上げたと言えそうです。

一発で外野の声を黙らせた石川慶監督の過去作はこれ!

石川慶監督の長編映画は今回のArcが3作目ですが、今回は特に長編デビュー作「愚行録」をピックアップします。

愚行録は直木賞候補にもなった人気ミステリー小説を、日本を代表する俳優陣を揃えて実写化するという、一大プロジェクトでした。

これほど大きなプロジェクトでしたので、当時「なぜ長編映画初監督の若手が監督なのか?」という、若干懐疑的な見方もあったそうです。

しかし、小説の世界観を損なわない一方で、ポーランド譲りの独特の世界観を存分に盛り込み、多くの監督賞を獲得するほどの作品に仕上げています。

『愚行録(2017年)』

引用元:映画.com

貫井徳郎さんの同名小説を妻夫木聡さん、満島ひかりさん、中村倫也さん、松本まりかさんなどの今旬俳優を揃えて実写化した映画です。

一人の週刊誌記者が、犯人が見つからないまま1年以上経過しているサラリーマン一家惨殺事件を、改めて追い直す決意をします。

その中で被害者一家や証言者の思いがけない実像が明らかになり、事件の真相が徐々に明らかになっていくというミステリー映画です。

この内容からすれば、感傷的なシーンで涙を誘うような展開も予測できますよね。

しかし、この映画で描かれているのは、被害者夫婦が抱えていたそれぞれの裏の顔やドス黒い心の内、また、名門大学内の陰湿極まりないカースト制度など、悪意のかたまりのようなものばかりです。

それを石川監督は「誰も泣かない湿っぽくない脚本」と語っており、「それが伝われば僕らの挑戦が成功していると思って欲しい」とも言っています。

また、「見えているもの以外に何かが込められたメタファー(隠喩、暗喩)な画作りをしたい」とも語っており、一筋縄ではいかない魅せ方をしたかった強い意志が感じられます。

そんな石川監督だからこそ、愚行録はセンチメンタルな部分を一切排除し、残酷で理不尽極まりない真実をラストに見せつけるような展開を描けたのだと、評価されています。

愚行録の受賞歴
・2017年度新藤兼人賞・銀賞
・第27回日本映画プロフェッショナル大賞・新人監督賞
・第39回ヨコハマ映画祭・新人監督賞
(ベネチア国際映画祭オリゾンティ・コンペティション部門に選出)

まとめ

今回は「【Arc】キャストまとめ!石川慶監督の経歴や過去作が圧倒的!」と題して、お伝えしました。

まとめましょう!

  • 不老不死の身体を手に入れた主人公の17歳から100歳以上までを演じた、若き演技派芳根京子さんに大注目!
  • クセの強い役に手慣れた岡田将生さんがクセ強作品にベストマッチ!
  • 寺島しのぶさんがどんな憑依型演技で主人公の師を演じているのか?
  • 円熟のベテラン風吹ジュンさん、小林薫さんは作品の癒しなのか、はたまた老いの悲哀さを見せられてしまうのか
  • キャストも困惑させた石川慶監督の独特の世界観を理解できるのか?

個人的には新境地を開いたとも評価されている芳根さんの、今までとは違う部分に特に注目しています。

皆さんも石川慶監督の世界観をキャストに肩入れしながら、映画館で見届けてください。

 

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