【映画】かそけきサンカヨウの意味は?ネタバレあらすじも

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何とも不思議なタイトルの映画「かそけきサンカヨウ」が公開されます。

このタイトルの意味が大いに気になるところですし、内容がタイトルとどのようにリンクしてくるのか注目ですね。

そこで今回は「【映画】かそけきサンカヨウの意味は?ネタバレあらすじも」と題して、タイトルの意味とあらすじに迫ります。

かそけきサンカヨウの意味は?

かそけきサンカヨウ」って何かの呪文でしょうか?

それとも、ヒーローの必殺技でしょうか?

そんな不思議なタイトルの映画ですが、これは「かそけき」という言葉と、「サンカヨウ」という花の名前の組み合わせです。

まずはそれぞれについて詳しく見ていきましょう。

かそけきってどんな意味?

かそけきは「幽けき」と書き、「幽けし」という古語の連体形です。

幽けきは「今にも消えてしまいそうなくらい薄く、淡い、あるいは、ほのかな様子」という意味です。

”幽”と言う文字から真っ先に思い浮かぶのは「幽霊」かと思いますが、まさに”かそけき霊”という読んで字のごとくの意味だったんですね。

ちなみに映画「かそけきサンカヨウ」は怪談ものやホラーではありませんので、苦手な方ご安心ください(笑)

サンカヨウという花

サンカヨウは直径2cmほどの白く小さな花をつける多年草で、山深い少し湿った場所に生えます。

雨に濡れると花びらが透明になるという世界的にも珍しい花で、その特徴から別名を「スケルトンフラワー」ともいいます。

開花してからわずか1週間ほどで散ってしまうので、花を見るのが難しいと言われています。

透明になった様子は淡く、ほのかな印象がありますし、開花した瞬間から今にも消えそうなはかなさがあるという意味でも、「かそけき」という言葉がマッチする花かもしれませんね。

ネタバレ注意!映画「かそけきサンカヨウ」あらすじ

映画「かそけきサンカヨウ」は窪美澄さんの短編集「水やりはいつも深夜だけど」収録の一編を、「愛がなんだ」の今泉力哉監督が自ら切望して実写化しました。

父と2人暮らしの女子高生が父の再婚で突然できた家族に戸惑いながら、分かりあえる存在である同級生との交流なども通じて成長していくヒューマンドラマです。

主人公の女子高生をドラゴン桜の優等生役が記憶に新しい志田彩良さん、父親を井浦新さん、同級生を鈴鹿央士さんが演じています。

それでは映画「かそけきサンカヨウ」のあらすじをご紹介します。

かそけきサンカヨウあらすじ

女子高生の陽(志田彩良さん)は母が幼い頃に家を出て以来、ずっと父の井浦新さん)と二人で暮らしてきました。

その環境のせいで早く大人にならざるを得ず、小学生の頃には一通りの家事をこなし、聞き分けのよい娘に育っていました。

長く続いた父親との平穏な日常でしたが、ある日突然父が再婚し、新しい母親となる美子菊池亜希子さん)と、その娘のひなたが家族の一員となります。

当然ながら簡単にその状況を受け入れられない陽は、美術部の同級生で同じく家族関係に悩んでいる鈴鹿央市さん)に想いを明かします。

また、陽は絵描きである実母の佐千代(石田ひかりさん)への想いも募らせており、ある日陸と共に佐千代の個展に出かけます。

そこで、陽は母との唯一の思い出である”サンカヨウ”の花の絵を見つけるのでした。

ネタバレ注意!映画かそけきサンカヨウ考察

映画「かそけきサンカヨウ」の考察として、3つの”かそけきサンカヨウ”に注目してみました。

なお、ここからは映画情報では未公表のネタバレを含みますので、公開前に内容を知りたくない方はご注意ください。

1つ目は陽の実母・佐千代に対する想いです。

佐千代との思い出は、本当に淡く、薄いものですが、ずっと父と二人暮らしの陽はその思い出にすがるしかなかったのです。

佐千代は今も生きているし、陽は居場所も知っています。

そこへ新しい母親が突然現れたことで、雨に濡れたサンカヨウが透明になった瞬間に強い存在感を放つように、陽の中でさらに実母への想いが強く弾けのではないでしょうか。

だから陽はその想いを確かめるために、佐千代の個展に行ったんですね。

そして、個展でサンカヨウの絵を見つけてからの展開は、陽にとって思い描いていたものとは違う、やや残酷で悲しいものでした。

しかし、それを乗り越えた先に、新たな家族関係の中で自分の居場所が見つかるのかもしれないという予感はさせてくれました。

続いては新しい母となる美子の存在です。

美子は明るく朗らかで、誰でも分け隔てなく付き合える、まるで太陽のような女性です。

さらに、その娘のひなたは荒々しくて騒々しくて、かいじゅうみたいな女の子です。

寡黙な父との生活が長かった陽は、そんな新しい家族に困惑し、中々受け入れられないんですね。

しかし、陽は美子の何にも染まらない”透明さ”にあこがれ、実は「いつか美子さんのような人になりたい」と思っているのです。

母の個展に行った日、美子は陽の大切なものをめちゃくちゃにしてしまった娘ひなたを叱り、自分からそれを繕い、陽の思い出まで共有してくれます。

物語の終盤、陽は美子に向けて誰にも聞こえないような声で「お母さん」とつぶやきます。

美子を受け入れ始めているんですね!

しかし、まだ面と向かってお母さんと言えないところが、”かそけき”想いなんでしょう。

最後に陽と陸の関係性です。

実は原作には文庫化に際して書き下ろされた、「ノーチェ・ブエナのポインセチア」という続編があります。

映画ではこの続編も掛け合わせ、オリジナルの脚色がされていると聞いています。

ノーチェ・ブエナのポインセチアは陸を主人公とした物語ですので、映画では陸が抱える家族の問題や自身の病気のことも深堀りされていくはずです。

そして、それは陽と陸の関係も、より深く描くことになります。

原作では将来的な恋愛関係を匂わせるものの、一定の距離感のある関係のように見えました。

しかし、今や「恋愛映画の旗頭」とまで言われる今泉監督ですので、映画では2人の恋愛も1つのテーマとして描かれているようです。

おそらく”かそけき”というテーマを崩さぬよう、ハッキリしたものは無いかと思います。

ただ、原作のモヤモヤした関係から、少しかもしれませんが進展はあるのでしょう。

まとめ

今回は「【映画】かそけきサンカヨウの意味は?ネタバレあらすじも」と題して、お伝えしました。

話をまとめます。

・”かそけき(幽けき)”は淡く、薄く、今にも消えてしまいそうなという意味
・”サンカヨウ”は花びらが雨に濡れると透明になる小さな花を咲かす多年草
・映画「かそけきサンカヨウ」は女子校生が、父、実母、継母、信頼できる同級生を通じ、家族との向き合い方を考え、成長していく物語
・ストーリーに込められたいくつもの”かそけきサンカヨウ”を感じ取りたい!

映画かそけきサンカヨウは原作の全体に流れる”優しさ”をそこなわず、陸目線で描かれたノーチェ・ブエナのポインセチアの要素も取り入れ、より深く人間関係を描いています。

もう一度家族と向き合ってみたいという気持ちになる作品かと思いますので、自分の想いを確かめる意味で劇場に足を運んでみてください。

 

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