東出昌大さん主演の映画草の響きが公開されますが、あらすじが気になる方も多いのではないでしょうか。
また、原作小説との違いも気になるところであり、特にラストが大きく違うのかどうかに注目が集まっています。
そこで今回は「草の響きあらすじネタバレ!原作と映画のラストは大きく違う?」と題して、深く迫ります。
ネタバレ注意!映画草の響きあらすじ
草の響きは41歳の若さでこの世を去った小説家・佐藤泰志さんの文壇デビュー作「きみの鳥はうたえる」に所収されている、同名小説の映画化になります。
自律神経失調症に悩まされていた佐藤さんが、療法中に実際に体験した家族や友人との関わり、新たな出会いと交流などについて書かれた、自伝的ヒューマンストリーです。
佐藤さんの小説は没後に再注目され、函館にある市民映画館シネマアイリスの館長・菅原和博さんのプロデュースで、そこのみにて光輝くなどが映画化されています。
映画化5作目となる草の響きの主人公・工藤和雄を演じるのは、実に3年ぶりの映画主演となる東出昌大さん。
「羽毛のように柔らかい函館の西陽を受けながら、皆で作った映画です。
楽しみに待っていてください。」主演、東出昌大さんからのメッセージを抜粋✔︎
映画のホームページには、斎藤久志監督やキャストの方々のコメントが!ぜひご確認下さい🔥
▼公式HPhttps://t.co/RTYogxl7SV pic.twitter.com/920UH1nTyj— 映画『草の響き』 (@_kusanohibiki) September 23, 2021
プロデューサーの菅原さんは東出さん抜擢について、「佐藤泰志の分身のような和雄はこの人しか浮かばなかった」と語っています。
その他のキャストは、和雄を支える妻・純子を奈緒さん、親友・佐久間研二を大東駿介さんが演じます。
それでは映画草の響きのあらすじを紹介します。
映画草の響きあらすじ
東京で出版社に勤めていた工藤和雄は徐々に精神のバランスを崩し、妻・純子と共に故郷である函館に帰ってきます。
ある日和雄は親友の佐久間研二に連れられて出向いた病院の精神科で、自律神経失調症と診断され、医師から運動療法として毎日のランニングを勧められます。
仕事をすることができなくなった和雄は、医師の指示通り雨の日も風の日も同じコースを走り続けては記録をつけていきます。
純子は夫と夫の両親以外頼れる者のいない地で、最初は不安でいっぱいでした。
しかし、黙々と走るひたむきな夫の姿に心を打たれ、彼を理解しようと見守る決意をします。
徐々に心の平穏を取り戻していく和雄ですが、ある日路上で自分の居場所を見失っている若者3人と出会います。
和雄と若者たちとの間には心を通わせる内に奇妙な絆が生まれ、やがて一緒に走るようになるのですが…
映画草の響きラストは原作と大きく違う?
小説の映画化では原作と異なる解釈やラストが用意されていることがありますが、草の響きはどうなんでしょうか?
結論から言いますと、情報が少なく原作と違うかどうかは不明です。
そのため、ここからはあくまでも筆者の予想になりますが、ラストは大きく違わないと思います。
佐藤泰志さん原作の過去の映画化作品でも、プロセスは様々でも結論(佐藤さんが伝えたかったこと)は原作に沿って再現されています。
まして、草の響きは佐藤さんの自叙伝的な存在ですので、できる限りありのままを伝えたいはずですし、ラストを変えるというのは原作ファンのことを考えても、とてもリスキーに思えます。
したがって、ラストは原作と大きく違わないと予想します。
草の響き映画と原作の違い
映画草の響きのラストは原作と大きく違わないと予想しますが、原作は短編小説のため、映画ではある程度肉付けがされています。
原作にないストーリーが組み込まれていたけれど、深みを与えていたように感じました。若い人たちに観て欲しいなあ。#草の響き
— ちくるいこ (@3pSaVYx5deZpDGo) October 1, 2021
映画の公式ホームページには「原作にはなかった夫婦の崩壊と再スタートというテーマが立ち上がった」という一説があります。
和雄と純子の夫婦関係を原作よりも深めに描き、いったん関係を崩れさせて、その再生を見せていくという展開になっているのでしょう。
また、映画をご覧になった原作者佐藤さんの長女さんは、こんな風に感想を語っています。
映画「草の響き」へのコメントをチラシに。佐藤泰志さんの長女様からも。”抗えない何かに必死で抵抗する主人公の姿に、父を想ってただただ涙が出ました。人が静かに狂っていく様は原作よりもリアルで、今も私の全身に深く沁み込んでいます。” pic.twitter.com/7d5nfd4o7v
— 函館市民映画館シネマアイリス (@hkdiris) September 30, 2021
これは原作との違いと言うよりは、映像化することでさらにリアルさが浮き彫りになったということで、他のシーンでも感じるところがありました。
また、映像化したことが、この映画の最大の見どころと深く関係しているのも、大きな意味がありますね。
本作は遠くから全体を見る”引きの画が”多用されています。
走る主人公と景色のコントラスト、一緒に走る若者たちとの心情の違い、夫婦のその時点での距離感などは、引きの画だからこそ感じ取れる部分です。
そして、ラストに向かう段階になってくると、カメラは和雄と純子にフォーカスし、ここぞとばかりに”寄りの画”でその関係をつぶさに伝えます。
『草の響き』
思考家、佐々木敦さん @sasakiatsushi にコメントを頂きました。
「走る彼らを、映画はしかし同じ速度ではなく、どこか超然とした距離感で見守り続ける。 」
全文は画像からご確認ください✔︎
10/8(金)より新宿武蔵野館・ヒューマントラストシネマ有楽町/渋谷ほか全国順次公開📸 pic.twitter.com/3rCg4TXQdc— 映画『草の響き』 (@_kusanohibiki) October 2, 2021
引きの画を多くしたのはこの時のための伏線であったかのようで、心の動きや葛藤を強く感じ、感情移入しやすくなっているんですね。
そのため、原作を読んであらすじを知っている方も、映像化によって感じるところがまた違ってくるはずですので、観て損のない作品ではないでしょうか。
まとめ
今回は「草の響きあらすじネタバレ!原作と映画のラストは大きく違う?」と題して、お伝えしました。
話をまとめます。
・新たな設定、エピソードは追加されているが、ラストは原作と大きく違わないと予想!
・映像化された意味が強く感じられるため、原作を読んだ方にもおすすめしたい
映画草の響きは原作の世界観を損なわず、映像化によってリアルさを強く感じられる作品です。
夫婦関係のあり方を考えている、異世代との関わり方が分からない、精神疾患を身近に感じている。
そんなことが日常にあるなら、ぜひこの映画を観てみてください。
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